1990年代の後半に登場したバイアグラは、瞬く間に世界中で一大センセーションを巻き起こします。
日本でも臨床試験を実施することなく承認するというスピード審査により、1999年には医療機関向けの販売がスタートしています。
なお、このようにバイアグラが大々的に持て囃されたのは、多くの男性が悩んでいるEDという問題を改善する効果を期待できるからです。
しかも、極めて機械的に作用するので、原因を問わず改善できるという点が最大の特徴です。

バイアグラの効果と身体へ及ぼす作用

バイアグラの主成分のシルデナフィルは、元々は狭心症を改善するために開発されていた治療薬で、血管を拡張して血流量を増加し、血圧を下げることを目的としています。
具体的には、環状グアノシン一リン酸(cGMP)を分解している5型Phosphodiesterase(PDE-5)の酵素活性を阻害するというものです。
これにより、一酸化窒素作動性神経に作用して、血液循環が活性化することになります。
本来であればシルデナフィルのこのような効果は、心臓の表面にある心筋の細胞に酸素を供給している冠動脈という血管にあらわれるはずだったのですが、臨床試験では残念ながら思うような効果は得られませんでした。
そこで試験を中止することにしてシルデナフィルを回収しようとしたのですが、被験者が渋ったので理由を問うたところ、EDを改善する効果があることが判明したのです。
これが、夢の治療薬バイアグラが誕生するに至った経緯です。
つまり、シルデナフィルによる血行を促進するという作用が、冠動脈ではなく陰茎部の血管に発揮されたということです。
このために、erectionするためには性的な刺激が必要となります。
また、精液の量を増やしたりエクスタシーを高めるような効果はありません。
ちなみに、陰茎部だけに限定して作用するわけではないので、服用すると血圧は急激に低下します。
このような効果を利用して、現在では肺高血圧症や慢性心不全、急性呼吸窮迫症候群など様々な疾患への適応も研究されています。
また、このようなバイアグラによる作用はかなり強力なので、増幅させるような成分を配合した薬との服用は禁忌とされています。
具体的には、ニトログリセリンや硝酸イソソルビド、亜硝酸アミルなどの一酸化窒素供与剤や硝酸剤で、これらと併用すると降圧作用が増強されてしまい、血圧が過度に低下する危険が生じます。
さらに、このような影響が及ぶということから最大血圧90mmHg未満又は最小血圧が50mmHg未満というレベルの低血圧の人や、安静時収縮期血圧170mmHg以上又は最小血圧が100mmHg以上の高血圧の人への処方は禁止されています。
これらの人が服用した場合は、血圧の急激な低下により不測の事態が生じてしまう危険があるからです。

バイアグラの正しい服用方法とは?

バイアグラの効果は服用後30分~40分で自覚して、約1時間後にピークを迎えます。
このために、セックスする1時間前に服用するのがベストのタイミングということになります。
ただし、単に服用すれば良いだけというわけではなく、注意しなくてはならないポイントがあります。
それは、必ず空腹時に服用しなくてはならないということです。
なお、バイアグラの主成分シルデナフィルは、本来は血液に吸収されることで作用するのですが、油膜を通過することは出来ません。
このために、食後に服用すると腸壁や胃に付着した油膜に取り込まれてしまい、血液に吸収されることなく便として排出されてしまいます。
ちなみに、食べ物による油膜は6~7時間程度は取れないので、食事をしてからこれ以上経過してから服用しないとその効果は半減してしまうということになります。
ちなみに、どうしても食事を摂らなくてはならないという場合は、その内容と服用するまでの時間に注意しなくてはなりません。
例えば、焼き肉や中華料理、フランス料理などの油分を多く含む食事をお腹一杯食べてしまったような場合は油膜が取れるまでに半日程度かかるということが起こりえます。
うどんや蕎麦、お寿司などの油分の少ない食事を腹8分目程度に抑えるのが適当です。
このような内容の食事であれば、2時間程度経過すれば服用してもまず大丈夫です。
なお、バイアグラは水分で溶けるように製造されており、水での服用が基本ですがお茶やコーヒー、清涼飲料水などでも問題はありません。
ただし、何で飲んでも良いというわけではなく牛乳などの脂肪分を含んでいるものは避けた方が無難です。
何故なら脂肪分が有効成分を取り込んでしまい、血液への吸収を妨げられてしまうかもしれないからです。
また、グレープフルーツ系の飲料には血中濃度を高めてしまうという作用があるので、こちらも控えるようにするのが適当です。
一方、お酒との併用は適量であればリラックス効果が発揮されるので、バイアグラの効果を高める可能性があります。
しかし、過剰に摂取すると逆効果になる上に心臓への負担も大きくなるので思わぬ事態を招く危険があります。
このために、飲酒量には十分な注意が必要で、自制できないタイプの人は飲まないようにしましょう。

バイアグラの効果はどれくらい持続する?

バイアグラの最大の特徴は、30分程度で作用するという即効性の高さです。
このために、この内服薬を常備しておきさえすれば、降ってわいたようなラッキーチャンスですら逃すような心配はありません。
ただし、即効性だけを重視した内容ではないので、理論上は服用後に複数回以上のプレイを楽しむことは十分に可能です。
なお、バイアグラの効果は有効成分が体内に存在している限り発揮されるので、5~6時間は持続します。
ちなみに、血中濃度が最大になるのが服用してから1時間後で、3時間後に半減期を迎えます。
このために最大限に効果を実感できるのは約2時間程度ということになります。
このことから2~3回程度であれば連続してプレイ可能ということになるのですが、一つ問題があります。
それは、バイアグラには精力を増強するような作用はないうえに、空腹時に服用しなければ効果は半減してしまうということです。
つまり、栄養補給をしっかりしたうえで準備万全でプレイに臨むということは出来ないので、連続して行った場合の負担はかなり大きなものになってしまいます。
それではバイアグラの5~6時間という持続性に何の意味もないのかというと、そんなことはありません。
何故なら、バイアグラを服用して以降であれば食事を摂っても構わないからです。
具体的には、空腹時にバイアグラを服用して効き目があらわれだして以降に食事を摂るという流れとなります。
この場合に効き目があらわれたという目安となるのが、副作用として報告されている顔のほてりや目の充血です。
これらの反応はバイアグラを服用した人の約90%に見られると報告されており、血管拡張作用による局所温上昇によって引き起こされるものです。
薬が効いてきたということを証明する反応でもあるので、この時点で食事を摂るようにすれば万全の栄養状態でセックスを楽しむことが出来ます。
このために、複数回のプレイを希望しているような場合は空腹時にバイアグラを服用した後に、顔のほてりや目の充血があらわれた時点で食事を摂るという方法が適当ということになります。
ちなみに、一部のサイトでは食事の1時間前と食事中の2回に分けて4分の1ずつ服用するという方法を推奨していますが、提供元の製薬会社では服用後は24時間開けることを規定しているので、こちらを守った方が無難です。